大好き!アメリカのお料理

「プリンセスと魔法のキス」の中のニューオリンズ料理

シーフードガンボ | ベニエ | ジャンバラヤ


「プリンセスと魔法のキス」の中のニューオリンズ料理


映画『プリンセスと魔法のキス』の舞台、ニューオリンズ


先日、ディズニーの新しいプリンセス映画『プリンセスと魔法のキス』を観てきました。

映画の舞台はニューオリンズ。
ニューオリンズといえば、料理がおいしく、ジャズが盛ん。
アメリカ人もあこがれるとくべつな街です。

ニューオリンズは、ルイジアナ州のミシシッピ川河口の港湾都市。
南部の中心地のひとつで、綿花を中心とするプランテーション (大規模農園)で栄えた街。
19世紀には奴隷市場が盛んな街でもありました。

南北戦争も終わり奴隷も解放されて暮らしていた1920年代がこの映画の舞台です。
主人公のティアナは、ニューオリンズで育った黒人の女の子。
第一次世界大戦で亡くなったお父さんの夢だったレストランを開くため、
毎日、一生懸命に働いています。
そんな映画の中ですもの。
おいしそうなニューオリンズの料理がたくさん出てきます。



主人公ティアナの思い出の味、ガンボ


その筆頭がガンボ。お父さんが大鍋で煮て、近所の人たちにふるまいます。
ガンボは、まさにニューオリンズを代表する料理。
スパイスを利かせたシチューのようなピリ辛スープです。

ガンボとはフランス語で「オクラ」のこと。
映画の中でも、ティアナがみんなにガンボを作ってあげようと野生のオクラをつみます。
余談ですが、オクラという名前は日本語ではないのをご存じでしたか? 
オクラはアフリカ原産の野菜。オクラという名前もアフリカに語源をもつ英語なのです。
日本ではその名前がそのまま定着したそう。
というわけで、ガンボには必ず、といっていいほどオクラが入っています。
西アフリカから奴隷貿易でつれてこられたアフリカの人たちと一緒に
アメリカ大陸にやってきたと言われるオクラ。
アメリカ南部では、料理によく使われます。



シーフードガンボ (シチューのようなピリ辛スープ)


 シーフードガンボ

  • 玉ネギ          中1/2個
  • セロリ           1本
  • ピーマン         2個
  • マッシュルーム     3個
  • ニンニク         1かけ
  • ブロックベーコン または 鶏ひき肉  100g
  • チキンスープ      3カップ
  • ホールトマト缶     1缶
  • シーフードミックス   1袋
  • エビ            中8尾
  • 白ワイン または 酒  大さじ1
  • オクラ           10本
  • 小麦粉           大さじ3
  • タバスコ       お好みで
  • ニューオリンズ風ミックススパイス  大さじ1
  • スパイスを手作りする場合は、以下の配合で
  • <ニューオリンズ風ミックススパイス材料>
  • パプリカ        小さじ1/2
  • カイエンペッパー  小さじ1/4
  • タイム         小さじ1/4
  • バジル         小さじ1/4
  • オレガノ        小さじ1/4
  • クミン          小さじ1/4
  • ガーリックパウダー 小さじ1/2 (あれば)
  • オニオンパウダー  小さじ1/2 (あれば)
  • こしょう         小さじ1/4
  • 塩            小さじ1/2

<ひとくちポイント>
ニューオリンズ風ミックススパイスの材料は全部揃わなくても大丈夫。パプリカ、タイムをメインに、カイエンペッパー、オレガノ、バジル等を入れます。ガーリックパウダー、オニオンパウダーは、玉ネギ、ニンニクを入れるので省略してもOK。


<作り方>

1. 玉ネギ、ピーマン、マッシュルームはあらみじん切り、ニンニクはみじん切り、セロリは太いところは半分の幅にして1cm長さに切る。ブロックベーコンもあらみじん切りにする。


2. 鍋に油大さじ1を熱して、の野菜とブロックベーコン (または、ひき肉)を炒める。中弱火で3~4分炒めたらチキンスープとホールトマト缶をつぶして入れ、15分ほど煮込む。


3. ルーを作る。フライパンを弱火にかけ、薄力粉を入れて炒める。ときどきかきまぜながら、うすいきつね色になるくらいまでじっくり10分ほど炒めていく。


4. エビはカラをむいて背わたをとって洗う (ていねいにするなら、片栗粉をもみこんでから水洗いすると、臭みがとれる)。塩ひとつまみ、白ワインをもみこむ。オクラはヘタをとり、1cm幅に切る。


5. の薄力粉にスパイスミックスを入れて炒め合わせる。全体が混ざったら火をとめて、の鍋のスープおたま1杯分を入れてよく混ぜる。次におたま2杯分を入れて全体を混ぜ合わせたら、の鍋にかき混ぜながら入れていく。


6. 別のフライパンを熱し、シーフードミックス、エビを表面の色が変わるくらいにさっと炒めて白ワイン (エビの漬け汁でOK)を入れて煮立てる。の鍋に入れ、オクラも入れてさらに煮る。とろみが出るまで15分ほど煮込んだらできあがり。ごはんにそえてめしあがれ。お好みでタバスコをどうぞ。




ティアナが作るニューオリンズ風ドーナツ、ベニエ



「ガンボ」というフランス語の名前からもわかるように、
フランス風がニューオリンズの最大の特徴。
1803年にアメリカ領地になるまで、フランス領だったのだから当然といえば当然です。

映画のなかでも、フランスの名残りがうかがえるシーンがたくさん。
主人公のティアナのお母さんがドレスメーカーとして通っていた大きなお屋敷は地元の名士で名前はラボフ (LaBouff)さん。
フランス系の名前です。
ティアナがパーティで作るニューオリンズ風ドーナツのベニエも、もとはフランスのお料理です。
本来フランスではベニエはフリッター。天ぷらのような揚げものがメインで、
甘いドーナツのベニエはカーニバルの時期にだけ出るらしいのですが、
ニューオリンズではベニエといえば甘いドーナツ。
1862年に開店した有名店「カフェデュモンド」の看板メニューでもあります。

穴をあけたり、ねじって輪にしたものを揚げるのがアメリカ風ドーナツですが、
このニューオリンズ風は広げた生地を包丁で四角く切っていきます。
本場フランスでも、イースト生地、シュー生地、ケーキ生地、といろいろありますが、ニューオリンズでもレシピはいろいろ。

今回は、イーストを使ってふわっとした生地を作ります。
混ぜて寝かせて、切って揚げるだけ。
時間はかかりますが、イーストを使っていても思いのほか、かんたん!
ニューオリンズ風に粉砂糖をたっぷりふっていただきます。
甘みがひかえめなので、ジャムなどと一緒に出てくることもあるのですって。




ベニエ (ニューオリンズ風ドーナツ)
(6㎝角を約20個分)


 ベニエ

  • ドライイースト    小さじ2
  • ぬるま湯       1/2カップ弱
  • 卵           1個
  • 砂糖          50g
  • 塩           ひとつまみ
  • 生クリーム      1/2カップ
  • バニラエッセンス  3ふりくらい
  • ナツメグ       小さじ1/4 (好みで)
  • 薄力粉        300g
  • 揚げ油        400ccくらい
  • 粉砂糖        適量

<作り方>

1. ボウルにぬるま湯とドライイーストを入れて、よく溶かしておく。


2. のボウルに卵を割り入れ、砂糖を入れて泡立て器でよく混ぜ合わせる。塩、バニラエッセンス、生クリームも順番に加えて泡立て器でさらに混ぜる。


3. ボウルに薄力粉をふるい入れ、ゴムベラでさっくり混ぜ合わせる。ベタベタした状態でOK。ラップに包んで、冷蔵庫で一晩ねかせる。


4. まな板の上に薄力粉を広げ、冷蔵庫から出した生地を出す。表面にも薄力粉をかけ、手で押すようにして2cm弱の厚みにのばす。包丁で6cm角に切っていく。


5. 揚げ油を170℃に熱し、3~4個ずつ揚げていく。3~4回こまめにひっくり返しながら3分ほど揚げてできあがり。粉砂糖をかけていただきます。


<ひとくちポイント>
あまった生地は冷凍できます。いつも揚げたてをめしあがれ!





フランス×スペイン×アフリカの味の融合、ジャンバラヤ


ティアナは旅の途中、南部ホタルに出会います。
一緒にいたプリンスに
「へんな訛りだね」
と指摘されると、南部ホタルは
「I’m ケイジャン!」と答えていました。
字幕では「フランス系だからね」。ケイジャンとはフランス系移民の子孫のこと。
ケイジャン料理=ニューオリンズ料理、とアメリカでも混同されることが多いのですが、ケイジャンが住むのは、ニューオリンズよりも西、ルイジアナ南西部のアケイディアナ地方。
厳密にはケイジャン料理は、ニューオリンズの料理ではないのです!

ではニューオリンズの料理は、というと。
クレオール料理と呼ばれます。
「クレオール」という言葉は、もともとは「植民地生まれ」という意味。
いろいろな文化がまぜこぜになった、という意味も。
アメリカでは「クレオール」はニューオリンズの代名詞にもなっています。

入植に適した地を求めながら、カリブ海のスペイン領を通過して
フランス人たちがたどりついたのがニューオリンズ。
フランス、スペインの文化にアフリカ系奴隷の文化が混じった
いわば植民地文化がニューオリンズ風クレオールというわけ。
それに対して、ケイジャンはもっと早い時期にカナダに移住しながら、
政治と宗教上の理由でアケイディアナ地方に移り住んできたフランス系の人々。
フランス系文化がルイジアナに土着したもの、と言われています。

という違いから、ガンボなど、ケイジャンとクレオールには共通した料理も多いものの
料理も文化も、似て非なるもの、と認識されているようです。
ちなみに今回のガンボは、クレオール風にシーフードを入れたトマト味です。

日本でもよくみかけるジャンバラヤも、ケイジャンとクレオールに共通する料理。
パエリヤがルーツと言われています。パプリカ、ガーリック、オニオンなどを入れたスパイシーな味が特徴です。
以前作ったフライドチキンのレシピをみていただければわかるかと思いますが、
使っているスパイスはほとんど共通。これがアメリカ南部風なのです。
フランス料理そのものにはスパイシーなものは少ないので、
これこそアフリカ系とのおもしろい融合なのだと思います。



ジャンバラヤ (4人前)


 ジャンバラヤ

  • 玉ネギ        中1/4個
  • セロリ        1/2本
  • ピーマン       2個
  • ニンニク       1かけ
  • 鶏ムネ肉      1/2枚
  • エビ         中8尾
  • 白ワイン または 酒 大さじ1
  • インゲン       6本1
  • パプリカ       1/2個
  • 米           2カップ
  • チキンスープ    2カップ
  • トマトペースト    大さじ1/2
  • オリーブオイル   大さじ2
  • ニューオリンズ風ミックススパイス 大さじ1/2
  • スパイスを手作りする場合は、以下の配合で
  • <ニューオリンズ風ミックススパイス材料>
  • パプリカ        小さじ1/4
  • カイエンペッパー   少々
  • タイム          少々
  • バジル         少々
  • オレガノ        少々
  • クミン          少々
  • ガーリックパウダー 小さじ1/4 (あれば)
  • オニオンパウダー  小さじ1/4 (あれば)
  • こしょう         少々
  • 塩            小さじ1/4

<ひとくちポイント>
ニューオリンズ風ミックススパイスの中のガーリックパウダー、オニオンパウダーは、玉ネギ、ニンニクで代用しても大丈夫です。パプリカ、カイエンペッパーなどの赤い辛いものとタイム、オレガノ、バジルなどのハーブ類をあわせましょう。



<作り方>

1. 玉ネギ、セロリ、ピーマンはあらみじん切り、ニンニクはみじん切り、インゲンとパプリカは5cm長さに揃えて切る。鶏ムネ肉はひとくち大に切って塩・こしょうで下味をつけ、エビはカラをむいて背わたをとって洗い (ていねいにするなら、片栗粉をもみこんでから水洗いすると、臭みがとれる)、塩ひとつまみと白ワインをもみこんでおく。



2. フライパンにオリーブオイルをあたため、玉ネギ、セロリ、ピーマン、ニンニクを炒める。透き通ってきたら鶏ムネ肉を加えて表面の色が変わるくらいまで炒めたら米を入れて炒め合わせる。


3. スープにトマトペーストを溶かしてのフライパンに入れ、インゲンとパプリカ、エビを漬け汁ごと入れて強火にしてフタをする。蒸気が出たら弱火にし、12分加熱したら火を10秒ほど強めて火を切る。15分蒸らしてできあがり。




ミックススパイスでニューオリンズ風に


最近では「ケイジャンミックス」という名前のミックススパイスを置いているお店も。

市販ミックス

見つからなければ、このスパイスミックスを作っておけば、
ガンボもジャンバラヤもかんたんに作れます。



ニューオリンズ風ミックススパイス


 ニューオリンズ風ミックススパイス

  • パプリカ        大さじ1
  • カイエンペッパー   小さじ1
  • タイム         小さじ1/2
  • バジル         小さじ1
  • オレガノ        小さじ1
  • クミン          小さじ1
  • ガーリックパウダー 大さじ1/2 (あれば)
  • オニオンパウダー  大さじ1/2 (あれば)
  • こしょう         小さじ1
  • 塩            大さじ1



<作り方>

1. スパイス類をすべてよく混ぜ、ビンなどに保存しておく。ガンボやジャンバラヤに大さじ1/2~1を入れれば、ニューオリンズ風の味のできあがり。



ケイジャン風のトマトの入らないガンボや、
生地を寝かせる必要のない、ベーキングパウダーを使ったベニエを
プリンセスと魔法のキス』の映画プログラムでは紹介しています。
機会があったら、そちらもぜひ見てくださいね!


2010/02/22 | コメント(12)

コメント

映画観ました!今までになかったプリンセスストーリーにわくわくする音楽にうっとりしました。ティアナの作るガンボがおいしそうで、食べてみたーい。と思っていたのでレシピ、うれしいです。

marina | 2010/03/17 09:27

学生時代に楽器をやっていたのでニューオリンズ=ジャズのイメージしかありませんでした。お料理もいろいろあるのですね。田内さんのコーナーではお料理からデザートまでバランス良く紹介していただけるので嬉しいです。

よっし~ | 2010/03/11 17:38

ニューオリンズってアメリカの中でも特別、というイメージは聞いていたけど、いろんな文化があって奥がふかいんだ、と初めて知りました。行ってみたいなあ。

キッシー | 2010/03/10 00:51

ニューオリンズに住んでいた頃を
思い出して、南部料理を作りたくなりました。映画も楽しそう

Sundy | 2010/03/06 17:24

なんだかとっても今の日本にも届いて欲しいような、前向きなメッセージのつまった映画みたいですね! スパイシーなお料理を食べて、元気一杯に、夢に向かって働く。これまでのプリンセス映画とはまたちょっと違ったアメリカン・ドリームが展開していそうで、とっても楽しみです。わたしもガンボを食べてがんぼりたい!

ねぼすけ | 2010/03/01 12:39

ニューオリンズといえば、数年前ハリケーンで大変な被害がありましたよね。今はどの程度復興したのでしょうか?それと、街中がジャズで賑やかなイメージもあります。ガンボを食べながらアメリカ南部を感じたいな♪

くるりん | 2010/02/28 21:50

ジャンバラヤ、1人暮らしをしていたときよく近所のファミリーレストランで食べてました。懐かしい!今度作ってみようと思います。

リル | 2010/02/28 19:29

"ジャンバラヤ"って、中学時代給食のメニューにありました。洋風炊き込みご飯って感じでした。ちなみに東京の中学校です。なんだか懐かしい~。
しょうこさんレシピで作ってみようとおもいますっ!

しまりす | 2010/02/26 14:48

ベニエがとってもおいしそうです!ドーナツって子供も大好きですよね♪ドライイーストが入っていると、普通のよりもパンっぽい感じが増すのかな?チャレンジしてみます!

リュウ | 2010/02/25 11:37

チリコンカンなどのちょっとスパイシーな料理がすきなので、スパイスもいろいろ持ってますが、ケイジャンミックスなんていうのがあるんですか。エビを買ったので、おくらがあれば作れそう!

カピバラ | 2010/02/24 23:27

ベニエ、っていうんですか、おいしそーう!コーヒーととてもあいそうです。ハフっとパクつきたいです!週末にチャレンジ!

ドナドナ | 2010/02/24 09:58

ジャンバラヤってインドネシアのチャーハンだと思っていたら、アメリカにもあったんですか!アメリカっていってもいろんな種類の料理があるなんて今回はじめて知ったわたしです。

まーさ | 2010/02/23 11:19

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田内 しょうこ
【子・暦(ここよみ)処暑】8/23〜9/7は「しょしょ」